OMORI考察まとめ

みんなOMORIやろうぜ

OMORIの誕生日 ~Fly Me To The Moon (in OTHERWORLD)~

※このブログのすべての投稿には、ゲーム「OMORI」についての重大なネタバレが含まれます

 

OMORI/SUNNY、誕生日おめでとう!

 

 

さて、OMORIの主要キャラクターには誕生日が設定されている。SUNNYとBASILの誕生日については写真アルバムの日付から分かるが、ほかの4人についてはゲーム発売後に公式Twitterで発表された。

 

 この内MARIの誕生日、3月1日についてはMarch 1st = MAR1というシャレから設定されたのではないかと言われている*1。HEROとKELの誕生日が1/1、11/11となっているのも何かしら意味はありそうである。というかHERO、これ誕生日プレゼントとクリスマスプレゼントが一緒にされてしまうパターンだな?

 

その中でも特に気になるのが、OMORI(≒SUNNY、名前が出ていないのはプレイヤー側で名前を変えられるからか)の誕生日、7月20日である。実はこの日付、ゲーム中のとある場所で言及されているのだ。

 

 

それが以下の場所である。

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ORANGE OASISの隠し部屋、BREAVENへの入り口となる祭壇だ。机に書いてある数字を左の金庫に打ち込むことで、"RECIPE 4 DISASTER" (災厄のレシピ)が手に入る。この数字、7/20/1969と分けることで、「1969年7月20日」と読むことができる。

 

「1969年7月20日」をGoogle検索で調べれば、何がこの日にあったのかはすぐにわかる。「人類史上初の月面着陸」だ。

 

「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である」(ニール・アームストロング)

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アポロ11号による月面着陸。アメリカ国旗に敬礼するエルヴィン・オルドリン。

画像出典: Wikimedia Commons

この一致からは2つの方向に考察を伸ばすことができる。

まず、BREAVENについて。HEADSPACEのエリアの中で唯一再訪することができない*2場所だが、これがどこに存在しているのかは明言されていない。しかし、「金庫の鍵が月面着陸の日を指している」「よく見ると後ろの壁が月の地形図っぽい」という部分を考慮すると「BREAVENは月にあるのではないか」と推定するのが妥当だろう。*3

ただ、「災厄(Disaster)への鍵」となっていることからは、初の月面着陸であるアポロ11号より、映画にもなったアポロ13号の事故の方が連想される。ひょっとすると、OMORI君はこのあたりの記憶をごっちゃにして覚えていたのかもしれない。(Actual Moleはインディ・ジョーンズを参照しているし、この辺はただの記憶の混線かも)

 

そして、「OMORI/SUNNYの誕生日が月面着陸の日と同じである」ということについて、これは偶然ではないと考えたい。おそらくSUNNY君が天文大好き少年となったきっかけが、「自分の誕生日と月面着陸の日が一緒だ」ということだったのではないか。

 

実は振り返ってみると、「OMORI/SUNNYは宇宙が好きだ」と推察できる要素が多く存在している。例えば

・Hikikomoriルートで整理をしているときに見つかる「A GUIDE TO OUR SOLAR SYSTEM」という本

・FOREST PLAYGROUNDでSHAWN、RENと一緒に星を眺めるイベント*4、それと同時に習得できるスキル「OBSERVE」

・FINAL DUETの間に挿入される、六人で星を眺める場面

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このイラストめっちゃ好き

・各地に設置された望遠鏡

・CAPT. SPACEBOYの漫画とPLUTO、EARTHの存在。特に「冥王星が惑星かどうか」論争に1990年代の時点で興味を持っていたらしい点

 

そして何より、OTHERWORLDそのものが「月面着陸」をテーマにしている。

例えば、到着時にBUTT CERTIFICATEを手に入れていると見られるイベント「So Beautiful... So Majestic...」は直接オマージュしているし、

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「ケルにとっては小さな一歩だが、 ケル類にとっては大きな飛躍である!」

マップからも、OTHERWORLDがHEADSPACEの近くに浮かぶ衛星のような場所であることが確認できる。

JUNKYARDの頂点では、「4人がソファに座って目前の月を眺める」というイベントも用意されている。*5

また、アポロ11号の司令船と月着陸船にはそれぞれ「Snowcone(かき氷)」「Haystack(干し草の山)」という愛称がついていたという。前者はFROZEN LAKEで売られている"SNO-CONE"と対応しているし、後者はSTRANGERが案内するCATTAIL FIELDの納屋を暗示している。

7月20日がSUNNY君にとって誕生日であるだけでなく、宇宙へ興味をもつようになったきっかけの日でもあるという考察、いかがだろうか。

 

 

後記:OMORIがいくつもの日本のゲームに影響を受けているのは製作者も公言している通りだが、ラブデリックが作った「アンチRPGmoonからの影響はあるのだろうか?と考えている。特に現実パートがRPGのお決まりを崩すような構成であること(経験値なんて入らないし、ナイフを人に振り回してはいけない)、「扉を開けて」というキーフレーズ、そしてCD/MDを購入して音楽を聴ける、など(MDも2000年前後のメディアだよなあ)。

ただ、Mother/EARTHBOUNDとは違って海外で人気がある、という話は聞かないので、直接参照した可能性は少ない気がする。ラブデリック*6に影響を受けたフリーゲームも多いので、ひょっとしたら源流にはなっているかもだけど。

 

次回: DEEP WELLの話はしたい

 

追記:

 (拙訳)

「ああ…今日は悲しい漫画が出るのを待ってた人が沢山いたようですね…どういうこと!?これ以上SADになりたいんですか???」

 

からの↓

 

 公式のレスポンスが早すぎる……

 

ところで、OMORI君は実は感情を持っていないんじゃないかとか、SUNNYのことを憎んでいるんじゃないかとかの説がありましたが、このコミックを見るとまた考えが変わりそうですね……

・OMORIはHEADSPACEのみんなから祝福される存在である(あのSWEETHEARTがツンデレ化するレベルで)

・OMORI はSUNNYのことを気にかけている(みんなから貰ったプレゼントを届けに来てる)

・SUNNYはWHITESPACE内では泣いていて動かない(黒い電球がぶら下がっていることから、MARIとの事件の後、引っ越しする前ではないかと思われる)*7

 

二人の関係性も気になるね。

*1:ちなみに、アメリカでは同様の発想で3月10日(Mar. 10)が「マリオの日」と設定されているんだとか

*2:そのせいで私は"Anytime is good time for a picnic!"の実績を取るだけのために一からプレイしなくてはならなかった。辛かった……

*3:月へのポータルが開く、という点では別のゲーム(一応ネタバレ)も連想されるが……

*4:そもそも、HEADSPACEの空が常に夜で固定されているのも、「夢を見ているから」というより「いつでも星(星座)を観察できる環境が欲しかったから」である可能性がある

*5:ここで気になるのは、なぜHEADSPACEにはOTHERWORLDと通常の月の二つがあるのか、ということだ。これについてはまだ明確な答えが出せていない

*6:あるいはラブデリックの開発陣が元々関わっていた「スーパーマリオRPG

*7:「SUNNYが泣いているからGood Endingの後だ」という意見も見かけたけど、どうだろうか。感情の抑圧は4年間の間に徐々に進行していったと考えれば辻褄は合うかな