※このブログのすべての投稿にはゲーム「OMORI」の重大なネタバレが含まれます
日本語版の訳や表現、変わったところについてのメモ。
※発売直後の感想であり、その後のアップデートで変更された部分が多くあります
12/16
18:30
まだ少ししかプレイしていませんが、かなりかわいさ重視というか、擬音語と〜が多くて子供っぽさが強調されている感じですね
これが16歳以上対象か…
19:30
おおむねいい感じかな?
訳で気になったのは二つ(良かったところよりきになるところを話したくなるのは許してほしい)
HECTOR →ヘクトール
ヘクトール、とギリシャ名風に訳すとトロイア戦争の英雄のこと?となるけど、別にそういう要素なかったよな……結婚相手もヘレネとかじゃなくてHEATHER(ヘザー)だったし
普通にヘクター、でよかったのでは
(実績)The First Law → 第一法則
これには元ネタがあって、アシモフのロボット工学三原則のことを指しているんですよね。その中の第一原則「ロボットは人間に危害を加えてはならない」。
第一法則は語義的には間違ってないけど、この実績ないと「なんでROBOHEARTはMUTANTHEARTやPERFECTHEARTに比べあんなに弱いのか」が分からないので、ここは元ネタ踏まえて訳してほしかったところ。
「自己防衛だよね」「見せつけろサイドチェスト!手に入れろチャンピオンベルト!」辺りはうまく訳したなあ。鮫羽田社長……
20:20
……
懺悔します!ルーカス読みしてました!そうやんなんで気づかんかったんや!
これだけで翻訳信頼できるわ
21:02
階段の「なにか」戦、セリフ増えてない?(攻撃し続けた場合)
体力ゼロになるときは143ダメージくらいました…
あれ?プロローグの水やりイベントがない?→バジルの家から帰ってくるときに変わっていた
21:20
GIBBS, STATIONARY MUSICANが「流れない音楽家、ギブス」?
意味的には正しいのだが……
SPELLING BEE(つづりバチ)のうざさが半分になっている……
全体的にメッセージ送りの回数が減ってるっぽいので、今後RTAを走るなら日本語版になりそう
21:49
英語でしか通じないネタの多くは置き換えられているもよう。
22:11
あまあま ジャム入り ドーナツちゃん
23:00
ヨミジャムオ、やべー奴感は減りましたね
ネズミのエミちゃん(EMS(どうみてもハムスター(実はデモ版ではネズミだったので原点回帰) ) )
こうきたか……
「SUNNYとレモン」とかも、日本語版やってる人だと分からなくなるのかな
そういえば、協力技にはバグがあって、ケルの「ヒロにパスする」を使ったとき、(第1段階なら)ケルの攻撃+ヒロの攻撃で計算すべきところを、ケルの攻撃+オーブリーの攻撃で計算している、というのがあったはず(そのため基本「オーブリーにパスする」を使うメリットはない)
修正されたんだろうか?
→修正されてました(12/17)
というより、翻訳したのは誰なんだろう?エンディングにLOCALISATION SUPPORTとか増えてると思ったがなかった。*1
20:00
割引タグ(Sales Tag)のバグ?が残っているのを確認。
説明は「最初に使用するスキルのジュース消費量を半分にする」だが、実際は装備しているキャラクターのスキルが全て半分のコストで使用できる(ので実質ジュース2倍)。
12/18
15:00
これは明確な誤訳。
原文は"Beneath a trap door"だが、trap door とはいわゆるはねあげ戸、落とし戸といわれるもの(床や天井に取り付けるドア)のことで罠はしかけられていない。
GキーってHIKIKOMORI ROUTE行く人が必死に探すやつだし、ここの誤訳は割と致命的な気がする…
速報: ビスケット、兄だった
ここはUnbread (unbred)をどう訳すか期待していただけに残念。
unbred自体は「しつけられていない、育ちが悪い」という意味なので、私の訳は「パンクな双子」でした。
17:00
翻訳、全体的にネットミームやゲームネタは忠実に訳している感じがある(ここの「ファンブル」は日本語版で追加されたセリフ)
17:30
「全体回復アイテムが弱体化を受けてる」との情報を見たので確認
WHOLE CHIKEN(ハート175回復)が100回復になってますね……
終盤手に入るアイテムが弱体化したのかな?
とりあえずパーフェクトハートを倒してみる
→倒しました。スキルなどの仕様が変わっているわけではないので、難易度は恐らく前と一緒。
12/19
誤訳ばかり取り上げて申し訳ないのだが、日本語版やって分からなかった、と言う人にも役に立つと思うので許してほしい。
17:30
なぜここが「タマゴ」と訳されたのか分からない。原文は"OEUVRES OF SWEETHEART"。
OEUVREはフランス語由来の単語で、「(芸術)作品」「業績」といった意味。普通に英和辞典にも載ってるのだが、むしろなんでタマゴになった……?
謎カタカナフランス語。
原文は"Sors de ma chambre ou j'appellerai les flics!" 意味としては「出ていかねえと警察呼ぶぞ!」といったところ。
そういえばOTHERMART LADYの中国語が変わってましたけど、あれ正しいんですかね?なんかネットで見る「日本人の考えたエセ中国語」みたいな雰囲気がありますが……。
19:20
俺のサニーはこんなこと言わない
(原文は"What a good-looking family..."なので訳が間違っているわけではない)
なぜか2日目の英語の課題だけ問題が新しくなっている。
相手のゴールにシュゥゥゥーッ!!
「しまった! 10000こうねんは…… …… じかん じゃない! …… …… きょり だ!」
え、BLだったの?というか一郎って誰!?*2
12/20 21:30
これ文字数が違う気がする。
□×5が当てはまるのはオーブリーだけだが、原文は"□□□□'s face turns red and yells for □□□, but □□□ is already long gone." つまり叱ったのはHEROかMARI。
(2日目夜のヒロの言葉から叱ったのはマリであることがわかる)
ここの原文は"AUBREY, I'll let you leave... but you have to take KEL with you."
日本語版だと親切にもケルとオーブリーを解放してくれたように読めるが、英語版は「ケルを連れて行くなら解放してもいいぞ」と条件を出しているので、細かいニュアンスが違う。一体ケルは鮫羽田社長に何をしたんだ……
12/21 21:00
原文は"Up giving in lies weakness greatest our."
セリフ逆になってないじゃん!と思ってよく見たら逆だった。
怪談の内容は英語版のCREEPY PASTAと一緒だが、洒落怖のスレっぽい形式に変わっている。
12/22
なんか日本語版を初めてプレイしている人の感想を漁っていたら、妙にケルに対する風当たりが強い。というか、結構評価が低い。
いや、確かにケルは自分の言葉に無自覚で空気読めなくて思っていることすぐに口にだしちゃうけどさ、○イコパスとか呼ばれることはないだろう!?あんなにいい子なのにさ!?
と一般ケル推しオタクとして憤慨していたのだが、よく調べるとこれ日本語版の意訳が影響しているかもしれないと思うようになった。
特にこのシーン。
教会での戦闘後、オーブリーは周囲からの声に耐え切れず逃げ出してしまう。その姿を見て「さすがにかわいそう」は確かに自分の行動を棚に上げすぎだ。
じゃあ英語版はどうなっていたのか?
Shoot… I know she’s been kind of messed up lately…
but I still feel sorry for her.
Maybe this was a bad idea.
一見同じ内容に見えるかもしれないが、一つ一つ単語を確認していこう。
"Shoot"はinterjection(感嘆詞)の一種だが、Longman Dictionary of Contemporary Englishによれば、"used to show that you are annoyed or disappointed about something"(何かに対する苛立ち、失望を表すために使われる)。日本語版の「あっちゃ~」は「失敗しちゃった…」という印象を与え、どちらかというと"Oops"に近い。
ケルはここで何に対して失望を覚えているのか。それが次の文章"I know she’s been kind of messed up lately"だ。
"mess up"は滅茶苦茶にするという意味で、片付いた部屋の中を物で散らかすといったイメージが一番近い。人に対して"she is messed up"と使うと「混乱している」「落ち込んでいる」という意味になり、決して「ヤンチャしている」という意味にはならない。直訳は「俺は彼女が最近かなり落ち込んでいるのを知っている」。
オーブリーの取り乱した状態を指して"shoot..."とため息をついているわけだ。
次の"I still feel sorry for her",ここを「これはさすがにかわいそう」と訳したのは多分誤訳。第一"still"の意味が抜けている。
ケルはここの会話の前に、"sorry"という言葉を使っている。
Okay, fine. I get that you're angry.
Look, if it's an apology you want, here.
I'm sorry, okay?
I should have been there for you when we lost MARI.
当然ここの"I'm sorry"は「すまなかった」(日本語版に従うなら「悪かったよ」)の意味だ。feelはいわゆるbe動詞の置き換えなので、これと構文は同じ。
だから"but I still feel sorry for her"は「でも今でも彼女には申し訳ないと思っている」じゃないのか?
そもそも状況を整理すると、オーブリーを(キレさせて)席から立ち上がらせたのはこの"I'm sorry, okay?"の投げやりな謝罪だ。その後つい「大声でオーブリーを泥棒呼ばわりしてしまう」のが決定的な破局を導く。
だからケルが反省すべきなのは「謝罪の仕方と、オーブリーを教会にいられないようにしてしまったこと」で、その後の乱闘については彼の責任ではない(先に手をだしたのはオーブリーの方である)。
よって、"This was a bad idea."のThisの指示内容は「こんなところで暴れる」ことではない。
以上を踏まえた私の訳は以下の通り。
はあ…彼女が最近相当苦しんでいるのがわかったよ……
でも、俺は今も彼女に対して謝りたい気持ちはあるんだ。
多分、ここに来るのは駄目な考えだったんだろう。
これとさっきの日本語版の訳を比べてほしい。随分と印象が変わるのではないだろうか。
ここで「今でも申し訳ないと思う」の気持ちが出てくるから、「残り1日」の切り株での謝罪につながるのでは?
と「ケルは悪くない、翻訳が悪いんだ」というのを検証してみたが、私がケルを贔屓しすぎている気がするので、どっか間違ってそうだったらコメントください。
20:00
ここ正しくは「マホウツカイカの防御が上がった」のはず。
12/23 20:30
この後に「マリちゃん、もうちょっと自信持ったらいいのに……」と続く。
英語版だと"It looks perfect, doesn't it? If only MARI thinks so, too."と文意は同じだが、ここではマリの完璧主義者としての性格が暗示されているのでperfectの訳は欲しかった。
原文だと"It's good to have you back."となっているが、ここをシンプルに「おかえり」と訳したのはすごく好き。ヒロは絶対そういうこと言う……。
口調や語尾で性格付けをするのはありだと思うが、こういう「かしこまった口調に突然くだけた言葉が混ざる」部分がいくつか散見されるのは個人的に惜しい。
重大なミス。この花は(バジルの庭で説明された通り)スズランであって、チューリップではない。
最終決戦は……かなり理想的だと思う。
22:00
とりあえず全エンディング回収しました。
率直な感想としては、「求めていた理想の日本語訳」ではなかった。英語版を何周もして慣れてしまったのもあると思うが、個人的な趣味として語尾キャラや、崩した話し言葉風の文章に慣れなかったのが大きい。しかし、(誤訳もいくつかあるものの)全体としては丁寧に訳されているし、初めて遊ぶのであれば十分おすすめできる水準に達していると思う。
というか、これだけ大量のテキストを違和感ないように翻訳し、映像・イラストの差し替えまでして日本語化をなし遂げた制作陣とローカライズ担当の人の努力は報われるべきだと思う。本当にありがとうございます。
………
ピザバイトのメモ読めませんどうしたらいいですか……。